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冬休みに子どもたちが直面する困難〜継続支援で明らかになった課題とは?〜

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

この記事について

 いつもarigatobankアプリで様々な企画へ支援をくださり、ありがとうございます。今回は皆さまから頂いた支援をもとに活動す るセーブ・ザ・チルドレンの活動の1つ、「冬休み 子どもの食 応援ボックス」についての記事です。株式会社ARIGATOBANKのメンバーも、ボランティアスタッフとして梱包作業へ参加してきたので、その様子とセーブ・ザ・チルドレンから伺った取り組み内容についてお届けします。

なぜ、子どもの食の支援を続けるのか?

 「子どもの食 応援ボックス」はセーブ・ザ・チルドレンが年に2回、夏と冬に子どもたちの食の改善を目的として行っている取り組みで、2023年で4年目を迎えました。経済的に困難な状況にある世帯*を対象に「冬休み(夏休み)子どもの食応援ボックス」として食料品などを提供しており、2023年の冬は約5,000世帯へ約30品目の食品を届けるため、11月下旬から12月に3週間ほどかけて倉庫での梱包作業が行われました。※「夏休み 子どもの食 応援ボックス」については前回の記事をご覧いただけます(こちら)

―― 支援品はどういったものでしょうか? 夏と冬で変化はありますか?

「夏に引き続き、お米や麺類などの主食と、缶詰やレトルト食品などの副菜、お菓子など子どもたちが喜んでくれるものを入れております。また、文具と各種情報のリーフレットも一緒にお届けしており、受け取ったご家庭から助けになったというお声が届いています。」

―― 今回も、前回を上回る過去最多の申し込みがあったと聞きました。食の支援が引き続き必要とされているということでしょうか?

「はい、5,000世帯の募集に対して6,743世帯からお申し込みがあり、過去最多となりました。申し込み世帯に行ったアンケート*では、物価上昇の影響によって十分な食料が買えない、子どもの食事の量を減らしている、物価上昇によるマイナスの影響があったと回答した世帯の約3割が米やパンなどの主食を買い控えしているなど、経済的に困難な状況にある子どもたちの食に物価上昇が深刻な影響を及ぼしていることが明らかとなりました。冬休み中は学校給食がないため、昼食に困るほど困窮した状況に置かれる子どもたちが一定数いるということを改めて認識しました。」

子どもたちが直面する困難な状況とは?

―― 経済的に困難な状況にある世帯への支援ということですが、どのような状況なのでしょうか? 申し込み世帯へのアンケート結果を詳しく教えていただけますか。その状況下で、子どもたちにはどのような影響がありますか?

「約9割の世帯で『物価上昇の影響により十分な食料を買うお金がない』また、申込者の4人に1人が『経済的な理由で、子どもの食事量を減らしている』と回答しています。他にも、長期休暇中に十分な量の昼食をとれていない子どもが半数近くおり、世帯の困窮がそのまま子どもの食にマイナスの影響を及ぼしていることが読み取れます。加えて、半数以上の世帯でクリスマスプレゼントやお年玉をあげることが経済的にできないと回答しており、周囲との格差が浮き彫りとなることで、子ども自身の自己肯定感や自己有用感などの心理面への影響が懸念されます。」

―― 約9割の家庭が、経済的な理由から十分な食料を買えない状況であるというのは、とても深刻な問題ですね。そのような状況で、実際にどう暮らしているのでしょうか?

「物価上昇によるマイナスの影響があったと回答した世帯のうち、半数以上の家庭が野菜・果物・外食・肉・魚などの購入を制限しています。約3割ですが、『米・パンなど主食を買う回数を減らした・買わなくなった』と回答した家庭もあり、早急な支援が必要であることが分かります。また、アンケートの自由記述には、以下のような回答がございました。『朝食や週末は、自治体からの支援で頂いたお米と納豆がほとんど。食べたいものをたべたいだけ食べさせてあげたいです。(50代以上、女性、ひとり親、中学生1人、東京都)』『給食がないので3食は食べさせてあげれない。自分も一日一食食べれたら良い方。(40代、女性、ひとり親、中学生1人・高校生世代1人、東京都)』」

解決に向けてできること

―― アンケート調査により、経済的に困難な世帯の実態把握が進んでいますが、この状況をどう捉えていますか? また、調査結果を受けてどう支援を続けるのでしょうか?

 「夏に続き物価上昇が食、衣類、学び、体験といった子どもの生活全般に大きな影響を与えていることが明らかになりました。子どもたちに最低限の生活を保障することは喫緊の課題で、特に食料品の買い控えが長期化すれば、子どもの健やかな成長・発達へ大きな影響を及ぼします。セーブ・ザ・チルドレンは、年内に閣議決定が予定されている『こども大綱』や『こどもまんなか実行計画』において、真に子どもの権利を保障するために、経済的支援や生活支援といった子どもの貧困対策の拡充が図られるよう政府や関連省庁への政策提言を行っていきます。また、2024年も新入学時の私費負担を軽減する給付金提供や、『子どもの食 応援ボックス』などの支援を実施予定です。」

―― 株式会社ARIGATOBANKでは今回、社員が梱包作業にボランティア参加し、支援への関心・理解が深まりました。arigatobankアプリでも、引き続きセーブ・ザ・チルドレンさんへの支援を募りたいと思います。最後に、「子どもの食 応援ボックス」へのポジティブな反応があれば教えてください。利用世帯はどう感じているのでしょうか?

「日頃からアプリを通してご支援いただき、ありがとうございます。昨年『冬休み 子どもの食 応援ボックス』を利用された世帯の保護者から伺ったお話を抜粋してお伝えします*。『お肉を控えたりすることが多くて、もちろん、あまりおやつとかを買わないので、少しでも子どもに食料をあげられたらなという気持ちで応募しました。入っていたお餅は、お正月まで取っておいて、この間食べました。お菓子は、子どもがよろこんでいました。自分用っていうのがあるのがよかったみたいで、すぐに部屋に持って行っていました。(Fさん 関東地方在住)』、ボックスが届いたときの様子について『夕方で子どもたちもいたのでみんなでびっくり!開けたらお正月用におもちが入っていたので、お汁粉にしたり、のりを巻いたりして食べました。あとはやっぱりお米がすごく助かりました。育ち盛りで本当によく食べるので。子どもたちはお菓子をじゃんけんでとりあっていました(Gさん、東北地域在住)』」

インタビュー協力

大田原 英介 様(パートナーリレーションズ部 法人連携チーム)

支援団体

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
セーブ・ザ・チルドレンは、日本を含む世界約120ヶ国で子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織です。100年以上にわたって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現された世界を目指して活動しています。

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