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〜支援報告〜令和6年能登半島地震から1ヶ月、広がる支援

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

この記事について

いつもarigatobankの企画へご支援をいただき、ありがとうございます。皆さまの温かい支援が、各団体の活動を支え、多くの人々や地域の助けとなっています。今回は、発災から1ヶ月が経った令和6年能登半島地震の支援について、現地で支援活動に従事するピースウィンズ・ジャパンの支援状況をお伝えします。

発災から1ヶ月、現在までの支援について

―― 前回の記事では、発災直後の医療支援や捜索活動・物資支援について伺いました。引き続き支援される中で、どんな課題・困難がありましたか?

「発災後、能登半島各地で停電と断水が発生し、飲料水のみならず、お風呂やトイレに使う生活用水も不足し、生活に大きな困難をきたしました。特に衛生面の悪化は、感染症を誘発する原因となり、健康を害する大きな課題となりました。」

―― 断水は様々な問題を引き起こすのですね。どのように給水支援を行ったのでしょうか?

「はい。今でも多くの地域で断水が続いていますが、ピースウィンズが運営する災害緊急支援プロジェクト『空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”』ではこうした事態に備え、災害地で給水支援が可能な2つの企業と連携し、発災後4日目には、一部避難者に飲み水や生活用水を提供する給水支援を開始しました。1つはアクアデザインシステム(株)の災害用浄水装置によって、汚れた水から不純物を除去しきれいな水をつくり、毎日およそ6,000リットルの水を、1日50〜60人の避難者に届けています。もう1つは(株)キッツの浄水装置で、今回は原水地の川の濁りがひどかったため2台で運用し、合計で毎日およそ50,000リットルの浄水をつくっています(1日最大1,600人への給水が可能 ※災害時必要水量30リットル/1日として計算)。こちらは主に自衛隊が各避難所に設置するお風呂や生活用水、トイレを流す水として活用されています。」

―― 発災後4日目から給水支援を開始されたということですが、各企業とはどのように連携されたのでしょうか?

「空飛ぶ捜索医療団では毎年12月に大規模震災を想定した『多機関連携災害時医療救助訓練』を実施しており、これに両社とも参加していました。訓練を通して関係性を築き、お互いが災害時にできることを知っていたことで、今回の連携が実現したと思います。装置の運搬・設置以外にも、水の汲み取りについて現地と調整したり、自治体と協働し体制を構築していけるようサポートを続けたいです。」

―― 被災者の方々の1.5、2次避難が少しずつ始まり、新たな避難所開設も行われていると聞きます。避難所の支援状況はいかがでしょうか?

「石川県珠洲市で発災以来避難所となっていた飯田高校の学校再開にあたり、同校に避難されていた方々の移動先のひとつとして、旧飯田保育所に新しい避難所を開設することになりました。空飛ぶ捜索医療団は市の要請を受け、避難所のレイアウトの作成から設営、物資調達・搬入、環境整備まで、立ち上げを全面的にサポートしました。1月18日には、避難所の移動に関する住民説明会にも参加。入居者のヒアリングを行い、希望に寄り添った環境づくりから考えました。 DMAT(災害派遣医療チーム)や日本災害医療薬剤師学会の方々にも協力いただいて、1月21日には全57名の方々が飯田高校から移動しました。避難所では自主運営組織が設立され、ルールや作業の分担について協議が行われました。避難者の方々は、まだまだ先行きが見えない状況のなか、こうした共助のもとコミュニティを形成し、避難生活を続けています。」

被災ペットにも支援を届ける

―― ピースウィンズ・ジャパンでは、被災ペットの支援も開始されたとお聞きしました。こちらについても状況を教えて頂けますか。

「家屋の倒壊や津波・土砂災害も多発するなか、ペット同伴の家族は避難所でのスペースの確保が難しく、自宅避難や車中泊をされている方もいます。ピースウィンズは犬の保護・譲渡活動を行う『ピースワンコ・ジャパン』プロジェクトを運営しており、1月8日からスタッフを現地へ派遣しました。避難生活をされているペットとご家族の健康状態を確認しながら、現状の調査と物資の配布を行ったほか、日本レスキュー協会さまと連携し、犬猫に限らず全てのペットを対象に、エリアを手分けしてペットの捜索活動や物資支援に回りました。」

―― ペットとの避難が難しい方々はどうされているのでしょうか?

「犬・猫や鳥などを飼われていて、一緒に避難ができなかった地域の方は、車や自宅で管理をされている状況でした。1日に数回様子を見に行ってフードを置いてくるそうですが、厳しい寒さと余震も続いているため、心配に思う飼い主さまが多くおられました。その中でも、車中泊避難をしていた高齢ダックスのワンコのご家族より『親も介護が必要で一人にできない。この子の体調も心配なので、落ち着くまでのしばらくの間、預かってもらえませんか? 必ず迎えに行きますから』と相談があり、専用の相談フォームを開設してペットの一時預かりを開始しています。また、1月28日には、ペット連れのご家族専用の避難所を開設することができ、早速4世帯が入られています。」

さいごに

―― arigatobankユーザーへメッセージをお願いします。

「多くのご支援、ありがとうございます。早速、支援物資の購入等に使わせていただいております。空飛ぶ捜索医療団では、被災者に寄り添い、細かいニーズにも応えていくために、あらたに体制を整えています。また、ピースワンコ・ジャパンでもたくさんの方々のご状況とお話をうかがってきましたが、本当に様々な想いを抱えながら、毎日の避難生活を生き延びて前を向こうとしておられます。これからも被災された皆さまとそのご家族であるペットに寄り添っていければと思いますので、あたたかいご支援をよろしくお願いします。」

支援団体

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
1996年に設立された日本の国際NGOで、38の国で人道・災害支援を行ってきた。2019年、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”」を設立。国内では保護犬事業「ピースワンコ・ジャパン」も運営し、広島県神石高原町を拠点に、現在約2,600頭の犬を保護し、譲渡につなげる活動をしている。
団体公式ホームページ
令和6年能登半島地震支援特設ページ
ペットの緊急一時預かり相談フォーム:ピースワンコ・ジャパン

  • ※ 写真はすべてピースウィンズ・ジャパン提供

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