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どんな犬が救われるか、知っていますか〜保護犬事業の現場〜

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

この記事について

いつもarigatobankアプリで様々な企画へ支援をくださり、ありがとうございます。皆さまの支援が、各団体の活動の大きな支えとなっています。日頃の活動をお伝えするため、支援先のひとつである認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン広報担当・青井さんへインタビューを行いました。「日本の犬の殺処分ゼロ※を目指す保護・譲渡プロジェクト」において、支援がどのように活用され、犬たちが救われているのかをお伝えします。

日本の犬の殺処分ゼロを目指す ピースワンコ・ジャパンとは

―― 「ピースワンコ・ジャパン」とはどのような活動でしょうか? 事業について教えてください。

「ピースウィンズ・ジャパン自体は、人道支援を目的に難民・災害支援活動から立ち上がった団体です。海外や国内で災害現場に出動するなかで、災害救助犬を育成できればというところがきっかけで、2012年から始まった事業です。現在は日本全国に8箇所の譲渡センターを運営中です。」

―― 事業が発展するきっかけは何だったのでしょうか?

「ピースワンコ事業として広がる前の2011年の段階で、弊団体が本拠地を置く広島県は犬の殺処分数が全国で一番多い県でした。県の殺処分数をゼロにすることができれば、日本全国の殺処分もゼロにも貢献できるのではということで、『殺処分ゼロ』を掲げ、保護から譲渡につながる循環を作りたく事業を行っています。」

どんな犬が保護される? 保護の現場について

―― 保護される犬の状況を教えてください。譲渡に向けて難しい点はありますか?

「私たちが保護した頭数は累積で7,600頭を超えてきたのですが、その中のその中の8-9割と圧倒的に多いのが野犬です。活動開始時から10年ほど経ち、その当時と比べると日本全国では十数万頭という単位で殺処分自体は減ってきてはいるんですけども、残っているのは飼育の難しいイメージがある野犬。このため、保護から人馴れなど野犬のトレーニング、譲渡への循環を作っていくことに力を入れて活動しています。」

――それぞれ思い入れがあると思いますが、中でも印象に残る保護犬はいましたか?

「1頭目に保護された、夢之丞というワンコがいまして、もともと野犬で保護当時は子犬でした。動物愛護センターでそのままだと殺処分になるという説明を受け、この子から始めてみようということで保護しました。人馴れや救助犬の訓練を積み、実はネパール地震や広島県の土砂災害で救助犬として活動していて、広島では行方不明者を見つけるなどしています。夢之丞は保護犬でも人と暮らせるというイメージを変えた存在で、現在は13歳になり救助犬を引退していますが、今でも広島県の施設で看板犬として活躍してくれています。」
※写真は夢之丞くん

事業を支える寄付と使いみち

―― 事業運営のための資金は、寄付を中心に集めているのでしょうか?

「資金の6割ほどを月額会員のサポーターさんから、残りをふるさと納税や遺贈などの個人寄付からを中心に賄っています。6.3万人いるサポーターさんの支援が大部分を占めています。」

――保護犬事業の運営にはどれくらいの予算が必要なのでしょうか? 使いみちについて詳しく教えてください。

「現在2,500頭を飼育しており、365日いろいろな状態の子をみていくには人件費・フード代・医療費・光熱費等々が大きく、10億円以上の事業規模になっています。arigatobankからの支援についてはフードやワンコのハーネス・シャンプーなどの消耗品に使わせていただいています。」

保護犬事業に関する課題とは

―― 保護犬事業を運営するうえで、問題・課題点はありますか?

「2011年時点での広島県の殺処分数ワースト1位という状況から、2016年には県の殺処分機の稼働を完全にストップさせ、今日までその状態が続いています。これに伴い、始めの数年は保護頭数が急増し体制構築が急務の課題でした。今でも、新たな犬舎の確保や設備投資は続いており、また保護犬が高齢化したことによる医療費の増加も受け、資金調達は常に課題です。他には、保護犬の大半を占める野犬のトレーニングと譲渡を仕組み化し、全国へ広げていくことに力を入れつつ、保護犬自体の認知度を高める業界全体の啓発活動にも取り組む必要があると思っております。」

――寄付や里親のほか、一般の方々が保護犬事業を支援するにはどのような方法がありますか?

「広島県の神石高原シェルターや全国の譲渡センターでは人馴れやお散歩のボランティアさんを募集しています。また、ペットシーツやフードなど消耗品の物資寄付を全国から頂いており、とても有り難いです。」

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「殺処分ゼロを目指して活動するうえで、ワンコが譲渡につながり卒業することが私たちとして一番嬉しいのですが、そこに至るまでにトレーニングを続ける必要があったり、譲渡とならない場合は私たちが愛情を込めて最後まで幸せに過ごしてもらえるようにお世話をするということで、継続的な活動が必要となります。安定した運営の一方で譲渡施設も今後増やしていきたく、少しでも関心をもってご支援いただいたり、活動内容をシェアしてもらえることが大きな力になります。日本全国のみなさんと同じ意識をもって問題に取り組めると良いなと思っています。」

インタビューご協力

青井 玲奈 様(広報)

支援団体

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
1996年に設立された日本の国際NGOで、37の国で人道・災害支援を行ってきた。国内では保護犬事業「ピースワンコ・ジャパン」も運営し、広島県神石高原町を拠点に、現在約2,500頭の犬を保護し、譲渡につなげる活動をしている。
団体公式ホームページ
ピースワンコ・ジャパン公式ホームページ
ピースワンコ・ジャパン里親募集サイト

  • ※ 写真はすべてピースワンコ・ジャパン提供
  • ※ ピースワンコの「殺処分ゼロ」とは、命が助かる見込みがない等として愛護センターの判断で安楽死させられた犬以外の、殺処分をなくすことを目指しています。

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